地中海・エーゲ海クルーズ17・2010(9)

終日航海日第9日目】・(平成22年)2010.2月28日
 終日クルージングの朝を迎えた。 昨日の終日のエジプト観光で疲れていたのであろう、今朝は am5:15 になるまで目を覚ますことはなかった。朝食を前に、15階のデッキに出る
朝陽が眩しく登ってきた。 デッキを清掃中のクルーと挨拶を交わす….“ happy ?” と聞かれて “ oh  yes ! ”と応える….クルーの笑顔が返ってきた
 誰も知らない、早朝の….嬉しいひとこまなのである

 何時もの deck 14 の「ボラボラカフェテリア」で、朝食となった。
船は北に向かって航行している。少し波が高い…..なのでか、船は速度を落として、神経を使った操舵をしているように感じる。さぁー…..今日はのんびりとクルーズを楽しみたい

 水平線から綺麗な朝陽が昇ってきたそんな光景を観ながらの朝食とは、なんと贅沢なことだろうか。 
 料理はイタリアンで何時もと変わらないが、私たちの食卓テーブルを取り囲んでいる非日常的な情景….ひとつには、島影も見えない水平線から昇る朝陽もそうだし、見下ろすと後ろに流れて行く航跡の波・そして、私たちの回りには、国際色豊かな外国の人々が沢山いらっしゃる。そうした情景の中に、まるで溶け込んでいるかのような私たちがいる
 
 そうした時の流れが、料理をさらに引き立てる美味しいソースとなっている気がした
 私の貧弱な文章力ではとてもうまく表現できないが、こうした食事のひとこま・ひとこまの中にもクルーズの非日常的な素晴らしさがあることを感じたものである。 

 あれッ ! 2月は今日で終わり?….ふッと思い出した朝でもあった。 時の流れまでもを忘れさせてくれる….これもまた、クルーズの良さなのであろう
 
 左の航路図で見ると、いま船は、右下のアレキサンドリアから北上して、次の寄港地「クレタ島のイラクリオン」に向けて航行している
 
 船内での飲食を始め、買い物などの全ては「クルージングカード」で決済される。 その利用状況を確認できるように、中間集計された明細書が先日、キャビンに届けられていた。 朝食後、そのチェックをして、下船時の支払いに備えることにした。
 
 家内は、船の揺れに少し酔ったようだと薬を飲み、大事をとって横になる。…..が、何時までもキャビンでじっとしているわけにはゆかない。そこで、家内を起こし船内探検に出掛けた。 今日は終日クルージング….何もしないで、ゆっくり休息をしていいものを….ここらが「日本人」なのだ。….と言うと、あちこちからお叱りの声が聞こえてきそうで….「日本人」と書いたところを「欲深い私たち夫婦」に置き換えて訂正をし、お詫びを申し上げます

 ■乗客の国別集計
 今回のクルーズの乗客の国別の集計表が配られた。
 乗客数は3,145名で乗組員数は1,302名。
なのでこの船には合計4,447名もが乗船している
ことになる。
 あらためて、その数の多さにびっくりしたものである。
 乗客を国別に見た場合、最も多い参加国は「ドイツ」で1,636名
次に多いのは地元「イタリア」で402名3位は「フランス」で340名となっていた。
 圧倒的にヨーロッパの人の参加が多いが、私たち日本人も161名と意外に多いかなと思ったものだ。ちなみに、その日本人参加者の平均年齢は、67歳であって、丁度私たち夫婦がそのラインにいた。 そして、43ヶ国からのクルーズへの参加であった。

 船内探検の前に、photo  shopに行き、専属フォトグラファーによって撮られた写真を見に行く。もの凄い数の、船内でのスナップ写真が、リアルタイムで展示即売されているのである。その中に私たちのものもあった。昨夜のフォーマル・ナイトの記念写真である。ちょっと気恥ずかしい写りではあったが、2度と撮れないもの….だから記念にと購入したものだ。


 次に、この船「スブレンディダ号」のグッズを販売する店に入る。 店内には、沢山の乗客たちが出入りしていて、私たちと同様にショッピングを楽しんでいた。 我が家の孫たちにいいかなと思われる可愛い「Tシャツ」を買い求めた。 そして「スブレンディダ号」の模型に目がとまった。 持ち帰るには少々重い品だが、記念にしたくて購入を決めた。

 ボリュームのある「フルコースの食事」が重たく感じ始めている今日、昼食は、deck 14のボラボラカフェテリアで、軽くピッツァとビールにした
 こうして昼間から、罪悪感もなくビールを楽しむことが出来る….なんとも言えない幸せ感である

 昼食を終えて pm 2 : 00ころにキャビンに戻る。 暫く横になっていると、注文しておいた「ホットウォーター」が運ばれてきた早速、日本から持ってきた日本茶」と「吸い物のパックを取り出して、お湯を注ぎ込む。….むッ???….美味い !
  懐かしい日本の味が、口の中いっぱいに広がる。イタリア料理に少し飽きてきた頃….なので、ちょっと安堵したものだ。
 だけど、ここはイタリア….「郷にいれば郷に従え」のたとえもある。旅行期間中ぐらいは、その国の料理をありがたく戴くのが礼儀だと….少し反省もした

 上の写真は、海の色の綺麗さに魅かれて….私たちのキャビンのバルコニーから撮った。

 上の写真は deck 6 で、船首から船尾まで通して歩けるのは、この他に14階のデッキとの二つである。
 
 以前訪れたことのある国や都市であっても、入港時に船から眺める風景はまた違って見える。クルーズならではの、独特な風景を楽しみたいものです。 また船内では、イベントやショーなどを堪能したり、時間の経つのも忘れて何もせず、のんびり過ごしたり、クルーズでは、「遊びつくす贅沢」と「何もしない贅沢」が自由に選択できる
 自分のペースや普段の生活に合った船内生活を送ることで、たとえ100日の世界一周の旅であっても退屈することはないだろうなと実感した
 広く青い空・心地よい潮風・どこまでも続く水平線・クルーズはいつも自然と隣り合わせである。 しかも、これらは日々刻々と変化し、朝日や夕陽、満天の星空など予想もしないドラマチックなシーンを見せてくれる。 こうした自然の変化を肌で感じ、海に抱かれる生活を満喫できるのも、クルーズの魅力である。

 水平線の右端に見えている陸は、北アフリカの大地である。船は北上を続けている。

 船に乗ると何時も、航跡を撮らずにおられない私である。

 夕食を前に、14階のデッキで夕陽が沈む瞬間を楽しんだ。私にはTシャツ1枚の楽なスタイルで寒くもなく気持ちがよい夕暮れであった。

 ■贅沢な退屈.…寄港地にこそ、船での一日を大事に過ごしたい。 寄稿してからも船から下りないのがクルーズの上達者だと言った人がいる。 
 寄港地ツアーに出掛ける人たちを横目に、することといったら、せいぜい港近くのカフェにでも座って、接岸している船を眺めることだ…..と。 そして、ディナーに間に合うように船に戻る。 船旅に忙しさや慌ただしさは似合わない。 
 そもそも、日常から離れるために船旅を選んだのである
。 だから、非日常という船上におけるまっさらな日常を、どう組み立てようかと胸を躍らせる。そうしたことこそ醍醐味なのではないだろうか
 …..とは言っても、欲張りな私には、いまは、出来そうにありませ〜ん。
 明日も良い日でありますように ! …..と、沈む夕陽に祈った。 終日航海の一日が終わろうとしている。

 上の写真….思いがけなく飛行機の航跡が写り込んでいた。眩しいくらいに綺麗でしょう !
 
 今晩は、メインレストランでの食事を止めて、地中海スペシャリティー・アラカルトレストランの「ロリーボレストラン」で楽しむことにした

 地中海料理とは、ギリシャを始め、イタリア・ポルトガル・スペインなどのヨーロッパや・北アフリカ諸国の地中海沿岸の料理である。「暑い地域の油っこい料理」と言うイメージを持つ人が多いが、動物性油脂を植物性油脂で中和する働きがあるオリーブオイルや、各種ハーブを多用する、世界有数の健康食とされている。

 地中海沿岸地域の人たちは、この食文化のおかげで、心疾患による死亡率が低いと言われている。  そのほか癌・アルツハイマーなどの神経疾患にかかるリスクを減少させるとの研究結果も出ているとか。
グリルがほとんどで、油で揚げない調理法がヘルシーなのである
  私たちのメインは「エビとムール貝」の料理でした。   前回のイタリア旅行で教わっていたムール貝の食べ方….思い出しながら楽しんだものです。 そして、とても美味しかったのを覚えている。

 満足なディナーを終えてキャビンに戻る。今日も良い日だった。 シャワーを浴びてゆっくり休むことにした。(左の写真は13階の私たちのキャビン前の通路です)