地中海・エーゲ海クルーズ17・2010(3)

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終日航海日第4日目】・(平成22年)2010.2月23日
  未明 am 4時過ぎに起床した。 昨日までの疲れが少しは取れた感じの朝。 鈍いエンジンの振動とわずかな揺れに、船の中にいることを認識する。
 昨夜出来なかったスーツケースの中身の全てをキャビン内の収納ボックスに納めるそして空となったスーツケースはベッドの下に片付けた
 室温は、エアコンが効いていて、Tシャツ一枚でも寒くはない。
  am 6:30からレストランがオープンしている。  初めての船内での朝食である。am 7: 00から14階のデッキに上がり、そのフロアーのレストラン「ボラボラカフェテリア」でバイキングの朝食をとることにした。
  枠のない広いガラス窓の外には、地中海が広がっていて、水平線以外には何も見えない。朝陽が雲間から昇ってくるのを観ながら、朝食を戴く…なんとも言えない贅沢な気分になった。今日は「終日クルージング」…ゆったりした気分で食事ができる。クルージングならではの贅沢な時の流れである。


  ジェノヴァ港を出港して、船上で迎えた初めての朝は快晴。空気は少しひんやりとしているが、波はほとんどない。 ギリシャに向けて2日目の航海は、途中何処にも寄港することなく、ひたすら空と海と風の中を船は進んで行く。 眩しい朝の光が満ち溢れて綺麗である。 
 朝食を終えて、船内を少し散策することにした。 クルージングを楽しむ秘訣は、乗る船の施設を出来る限り早く知ることと聞く。 欧米の人たちは、朝早くから、すでにプールに入ったり日光浴を楽しむ人たちが多くなりつつあった。… が、私たち日本人には、なかなかそうはゆかない。
 昨日の乗船時の混雑 … あの時の人混みと喧噪が今朝はうそのようだ。… あの大勢の乗客たちは、いったい何処に消えたのか?… 船内の何処にもその姿はまばらである。 見える海面は、波立ちながら静かに後方へと流れている。360度を見渡せる水平線には、もう陸地は見えない。船が沖合に出ている事がわかる。

 2009年7月就航のMSC新造船・スブレンディダ号のスペックをここで記載しておきたい。
 ・スブレンディダ号 MSC Splendida
 ・客船タイプ    カジュアル船
 ・総トン数     133,500トン
 ・全長       333㍍
 ・乗客定員     3,274名
 ・デッキ      13層
 ・メインダイニング 2回入れ替え制
 ・運行会社     MSCクルーズ
 ・就航年      2009/07
 ・巡航速度     23ノット
 ・全幅       37.92㍍
 ・乗組員数     1,325名
 ・客室       1,637室
 ・船籍       イタリア
 最新鋭のテクノロジーと贅沢なくつろぎの空間が、見事に溶け合った客船である。 船内はイタリアのどこかの街にでもいるかのような雰囲気である。 
 

船内の「スウィーツのお店」を見つけた。 早速に家内はおやつ探し。スウィーツが食べたくなったら、船内にはいたるところにカフェがある。ジェラードからケーキまでなんでもありである。

 私たちのキャビンをご紹介する。船室ナンバーは、13161である。ホテルで言えば、13階の161号室ということになる。最上階のオープンブリッジデッキが14階なので、その直ぐ下が私たちのキャビンと言うことになる。
 この部屋は左舷側でバルコニー付きである。1日2回の客室サービス、24時間のルームサービスの他、船内新聞が日本語版で毎夕部屋に届けられる
 部屋の広さに不足はない。
 化粧室はビジネスホテル並でシャワーがついていて使い勝手も悪くはない。 船はスピードを上げて地中海のまっただ中を南に進んでいる。  船内にてインターネットの利用が出来ると聞いていたので、レセプションで手続きを済ませ、キャビンに戻って操作するが、メールに写真を沢山載せ過ぎた嫌いもあってか、十数分経っても送信が終わらない。 航海中は衛星回線を使うとも聞いていた。 そうした特殊な状況も重なってか、陸上のようにうまく出来ない…..こんなことで、時間を費やすのはいかがなものかと思い、途中でメールの送信を諦めた。 昼食をとることにして、今日は初めてのレストランを目指すチョイスが可能なレストランをと思って、少し恐る恐る入店した。 周りには日本人は誰もいない。 だけどこうした雰囲気に慣れることも、旅の楽しみ方の一つになりつつあった。  メニューからなんとか注文を済ませる。 以外に美味しい食事が出て来て、とても満足してこのレストランを出た。
 船内には色んなスポーツ施設やサウナ・マッサージのスパ、そしてエステなども充実している。 そうした施設を一通り観て回る。 そんな中、14階のオープンデッキでは手摺りに寄りかかりながら、所在なく地中海・エーゲ海の紺碧の海面を見入る人・デッキチェアに寝そべり読書にふける人・プールで水遊びする親子・いかにもクルーズ船らしい風景である。
 それにしても、人影はまばらだ。単調なエンジンの振動のみが足下から微弱に響く。
廊下にも人影はない。カジノ室もバーも・娯楽室も閑散としている。 今回のクルーズは満員だと聞いているのに、3,500人もの乗客は一体どこへ消えてしまったのか。出港時の混雑の疲れを癒すために、船室に閉じ籠もり、午後のひとときを過ごしているのだろうか。

 クルーズの魅力は、自分での移動やスーツケースの荷造りや荷ほどきをせずに観光地を巡り、船上ではのんびりと、優雅なリゾートライフを満喫できることである
 寄港地観光はもちろん、船内での食事から様々なアクティビティー、サービスにいたるまで、日常を離れた贅沢なひとときを過ごす…なんとも素晴らしいものである。
 娯楽・エンターテイメントに関して船内には、乗客が退屈することなく、楽しく過ごせるようにと様々な施設、プログラムが用意されている。夜には、音楽やダンスの華やかなショーやコンサートを鑑賞したり、グラス片手にカジノやダンスに興じるナイトライフもクルーズならではの贅沢なひとときである。

 船内通貨は、基本的にユーロである。乗船時に渡されたクルーズカードとサインだけで、船内の全ての買い物と支払いが出来るのは便利である。船内では、現金はまったく必要ない。また、サービスチャージ・チップなども、クルーズ最終日に纏めて、カードから支払うこととなっていて、日々の支払いはまったくない。

 終日航海日の今日も夕刻を迎え、ウェルカムパーティーが開かれる時間が迫ってきた。 今晩のドレスコードはガラ・フォーマル」となっている。 そう聞くと、男性はタキシードや女性はイブニングドレスを思い描くであろうが、今日の皆さんのそれは、むしろ完璧なフォーマルの方は探さないと見つからないほど少なかった。
 この頃、この船は、イタリアの長靴のつま先となるメッシーナ海峡を通過して行く
日本との時差は-7時間である。 美しいカクテルにワインがふんだんに準備されていて、自由に楽しんでいらっしゃる。乗船して初めてのパーティーとあって、乗客のどの顔も笑顔がいっぱいで、華やいだ雰囲気を楽しんでいる。

クルーズ」=「ドレスコードが難しい」そんな不安を持つ理由の一つには、ドレスコードの具体的な違いがわかりにくいことではなかろうか。
 堅苦しいタキシードも気が付けば慣れてくるらしい。
いちどフォーマルの夜を体験すれば、意外に慣れるものだそうで…..それが2回目ともなると、もっと自然に着こなせるようになるらしい。
 この船は、基本的にカジュアルだからドレスコードがフォーマルであっても「ガラ・ナイト」と呼んで、お祭り的な夜なので、若干ラフなフォーマルでも大丈夫というわけである。
 女性も1回目で、他の乗客のドレスアップ度がつかめたら、自分らしさをアレンジできるようになるらしく、フォーマルの日もぐんと楽しくなるはずだと言われている。
 外国船では、自分らしいお洒落を楽しんでこそのフォーマル。
 日中の服装とは違って、ちょっとパリッとしてゆくと、気分的にも張りが出ると言うものである。

 船内には、専門のフォトスタジオがあり、そのスタッフが乗客たちのスナップを撮りまくっている。そうして撮影されたものが、展示コーナーに、リアルタイムに近い形で展示販売されている。 3,500名もの乗客を撮った写真の中から自分のものを探し出すのも一苦労であった。 ちょっと気恥ずかしいが、非日常的なショットなので、これも許される範囲かと記念にと買った

 pm 6: 30から夕食となっていて席に着いた。….が、飲み物がそろって乾杯し食事が始まったのは30〜40分後。それからはコース料理が次々にと運ばれてくる。その一つ一つの料理はボリュームがあって、およそ半分も食べられたらいいほうだ。 およそ2時間後のpm 8: 30にレストランを出た。 pm 9:  00からは第二部のグループのディナーが始まるのである。
  キャプテンと記念撮影にのぞんだ。 めったにあることではないので、大行列に並んだ。
キャプテンは堂々たる風格と物腰であった。 世界を観たいと思ったことから、この仕事に就いたとおっしゃる。 彼の一日は、5時に起床して、およそ1時間、デッキをジョギングすることから始まるそうだ。朝食後は、その日誕生日を迎えるクルー一人一人に「おめでとう!」を言うクルーは家族だというのだ。キャプテンはエンターテイナーであり、社交の中枢でもある。
 シアターで、キャプテンとシニアオフィサーからの歓迎挨拶があった。会場いっぱいの人….もの凄い数….それでも、いま見渡せているのは全乗客の1/3位だろうか?
   圧倒された夜であった。

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