第 4話「アメリカ4大博物館 のひとつ ビショップ博物館 を訪れて」
〈 住んでいるかのようなステイを夢みて !! 〉
Aloha〜 !!
今日一日の過ごし方については何も決めていない … そんな朝だったが、6時には起きてシャワーと洗面を終え、ランドリー・ルームに行く。 洗濯が終わるまで、日誌を付けたりメールを発信したり・それにブログのチェックをするなどして時間をつぶす。そうしていると「ビショップ博物館」のことを思い出した。以前から気になっていたミュージアムである。
でもそこへはどうやって行くか ? … いい案が浮かんでこないなと思ったら、朝食がまだであった。そこで、ブランチでもしながら考えることにしたんです。
1時間弱でランドリーを終わり、ホテルを出てワイキキ・ショッピング・プラザへと歩く。 この地下に、お弁当を売る常設の屋台がある。
その周りのテーブルで、味噌汁に玉子焼き・塩シャケにおむすび・たくわんです。 … 笑われそうでが、考え事をしている時の食事は、ストレスのない日本食に限ります。
こうした食事からパワーと少しの勇気を貰って、クヒオ通りから am 10:45・2番のザ・バスに乗り込んだのです。このバスだと「ビショップ・ミュージアム」の近くを通る筈です。 乗り込んだ車内はガラガラ … ところが、ダウンタウンやチャイナタウンに近ずくにつれて満車となった。 そんな車内でも、お年寄りおよび身体の不自由な人たちに席を譲るマナーは、きちんとスムースに・ごく自然に行われている。観ていて何とも気持ちのよい光景である。満車のバスは、チャイナタウンの中をゆっくりと通り抜けてゆく。ワイキキで乗車してから1時間ほどが経過していた。
ガイドブックで見たことのある風景が現れた。ここだ !! とバスを飛び降りてあたりを見回す。 … ところが、博物館らしき建物は見当たらない。荷物になると、ガイドブックはホテルの部屋に置いてきた。「たぶん あっちの方角よ」と歩き始めたところ、住宅地に入り込んだ … あるお家のご婦人が庭作業をしていた … 声を掛けて道を尋ねると「ビショップは、フリーウェイの向こう側よ」とおっしゃる。 だが高速道路は横断することは出来ない。仕方なくもと来た道をてくてくと戻る。
11月と言うのに太陽は燦々と照りつけ、背中には汗が滲み始めている。 その後ももう一度、道を間違えて引き返すと言う珍道中劇があって、やっとの思いで博物館に着いた。 ビショップ博物館の正門です。
博物館のエントランスをくぐり進むと、天井の高い建物にぶつかる。そこは土産品の展示フロアーとなっていて、店内を通り抜けた奥の出口にチケット売り場があった。
パスポートのコピーを提示すると、65 歳以上は割引が受けられて、全施設を観ることが出来るチケットは、二人で $30 弱とお安い。
見学はさておいて、喉を潤し・歩き続けて火照った身体を冷まそうと、カフェに入り一休みをする。 腰を下ろして時計を見ると、何と、ワイキキを出てから1時間30分が経過していたんです。 こうしたことも「旅の思い出の一つだよ」と自分を慰めるような言い訳
… 何てことはない、またしても「愚者は経験に学ぶ」であります。 … トホホ。 時間は 12:30 を過ぎようとしていた。これから館内の見学です。
このビショップ博物館は、1889年にハワイ最大の博物館として開館したそうです。 館内には、ポリネシアの文化や自然科学に関する世界最多の学術品があるそうで、米国で3番目に資料の多い博物館だそうですよ。
この博物館は、チャールズ・リード・ビショップと言う人が、カメハメハ王家の末裔で妻のバーニス・パウアヒ・ビショップ王女の追悼記念に建設したものだそうで、
正式には「バーニス・パウアヒ・ビショップ博物館」というそうです。 1961年には、プラネタリウムが設立され、1990年には、世界の巡回展覧会などが展示される「キャッスル・メモリアル・ビル」が設立。 2005年には、ハワイや太平洋地域の自然を体感できる科学館として「サイエンス・アドベンチャーセンター」が開館となっています。 また、敷地内には図書館をはじめ、ハワイの音楽やダンスなどを紹介する「アサートン・ハラウ」、ギフトショップ、レストランなどもあり、年間45万人が訪れる人気スポットになっているそうですよ。 時間つぶしのつもりで訪れたこの博物館ですが、アメリカの4大博物館のひとつに数えられているそうですから凄いんです。 ちなみにアメリカ4大博物館とは:スミソニアン博物館、アメリカ自然博物館、フィールド博物館、ビッショップ博物館だそうです。
ただの観光とは一味違ったハワイを楽しめ、いい思いでを作ることができますよ。 さて最初の見学は「ハワイアン・ホール」 … この建物の外壁は、溶岩で造られているそうで、ビクトリア様式の建築物だそうです。そして、3階建てとなっている建物は、中央が吹き抜けの回廊式の造りで、内装には、ハワイ土着のコアの木がふんだんに使われています。
1 階は西欧人が訪れる前の古代ハワイ社会、 2階は西欧文化と接触した王朝時代、 3階は19世紀中旬からの移民文化に関しての展示となっており、1階から順番に3階に上がると、ハワイの古代から19世紀までの歴史が分かるようになっているそうです。
その次に訪れた建物は、その入口に「キャッスル・メモリアル・ビル」と書かれていました。 館内に入ると、綺麗で流暢な日本語を話す学芸員らしき方が迎えてくれたのです。 この館では、ハワイ移民の物語をはじめ、移民の目から見たハワイの伝統や変遷を表し展示してあると聞きました。 ここを訪れた時・見学客は私たち夫婦二人だけでした。 … カナダ生まれで両親は日本人だとおっしゃる学芸員の方は、高校まで日本で過ごし、其の後はアメリカ本土で暮らしてきたと聞いた。この案内人の方が、ビショップ博物館の全体の理解を助けてくれる説明を、じっくりと時間をかけてしてくれたんです。 そうした説明の中で … 「ハワイの古代の歴史を解き明かした人は、実は日本人だったってこと … ご存知 ? 」と言うのよね。 … これにはちょっと驚きでしたね。
その人の名は、篠遠喜彦(しのとう・よしひこ)博士。 この人が「陶器も鉄」も持たなかったハワイ先住民の歴史を、動物の骨で作られた「釣り針」から年代を探り、解き明かしたと言うのです。
この方、戦中戦後の混乱期を経て、米国に留学して「インディアンの旧石器文化を研究」するため、サンフランシスコへ向かう途中、たまたま下船したハワイ … そこで、当時まだ草創期だったポリネシア考古学に魅せられて「ハワイアンのルーツを探る」ことに生涯を捧げたと言う訳です。 西ポリネシアを除いて土器がない地域では、考古学という学問は成り立たないと思われていた時代だったんだそうですが、発掘した「釣り針」の型式に着目して年代を追う研究は、ポリネシア考古学の基礎を構築する画期的な業績として世界的に高い評価を得たのだそうです。
それにしても、この地域の古代の民族の移動は大海原 … 当時はコンパスもなく、太陽や星や月、海流と風向き、渡り鳥など、自然に対する知識だけを頼りにカヌーを漕いで移動したんだそうだから、すごいことですよね。
ハワイではアクセサリーに「釣り針」のモチーフがよく使われています。お守りに、一つくらい買ってくれば良かったと思ったりしています。
最後に、ハワイや太平洋地域の自然を体感できる科学館「サイエンス・アドベンチャーセンター」の見学を終えて帰路についたのでした。
ビショップを出ての帰り道は、学芸員の方から教わったとおりに歩いたんです。
すると、わずか数分でバス停に出ました。 虹がくっきりと出て、霧雨が山手の方から吹き降ろして近づいて来ます。 そこへ、まるで助け舟のように … ワイキキ行きのバスが来て、救われるように飛び乗ったものです。
バスはチャイナタウンを通り抜け、ワイキキにかなり近くなったかな と思っていた時、
車窓の向こうにマーケットが開かれているのが見えたんです。
次の瞬間、バスを飛び降りていました。 特にお目当ての物などはないのですが、こうしたマーケットでは、生産者すなわち地元の人と、顔を合わせることができること・また、その土地でとれた野菜や果物・魚介類など、珍しい食材が見れたりして面白いですよね。
それに、いちばん素朴で気取りのないところが楽しいですよね。 ひととおり眺めて、再びバスに乗り込んだのは良かったのですが、このバスは「カハラ・モール行き」でした … 序でにこのモールで下車し、今晩の夕餉の惣菜を求めて帰ることにしたんです。 こうして、随分と遠回りしてワイキキに戻り、ホテルの部屋でホットしての夕食でした。
金曜日の夜と言えば、ヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジ前のビーチであがる花火が有名ですよね。 そこで夕食後、ぶらりとビーチに出てみたんです。 気の早い人たちは、陽が落ちる前から思い思いの場所に腰を下ろし、花火があがるのを気長に待っています。 私たちは、時間つぶしにウインドショッピングをしたんです。 ある店の女主人が、私がつけている日本製の短パン風な水着を指差して「それ、おかしい !! 」と言うんです。
メイドイン・ハワイの短パンを手に取って「こんなのをはきなさい !! 」と薦めるんです。
一瞬「失礼よね !! 」とも思ったが、薦められるままに購入し、その場で着替えた。
すると … ハワイアン になったかのような ? … ルンルン気分となったから不思議です。
そうしている内にスーパープール・ステージでは、ポリネシアンミュージックやダンスなどの華やかなショーが繰り広げられ、そのラストの 7時50 分頃から花火が始まった。 突然耳に、つんざくようなもの凄い爆発音とともに花火が打上がる。
周りには、ヒャー!・ブラボー!などの歓声が響く。たった5分間ほどなんですが、一気に連続して打ち上げるので、思いのほか凄い迫力で、時間が長く感じたものです。 こうして今日も無事に一日が終わったのでした。
次の「 第 5 話 」でまた…お逢いしましょう !!
Mahalo〜 !!
2012 ハワイ・ミドルステイ(4) への4件のフィードバック