3月10日(木曜日)台湾周遊の旅はもう今日で終わり….何時もそうだが、旅行期間の前半は、まだまだ何日もあるよなと思っている。ところが後半に入ると、秋の陽の「つるべ落とし」に似て、あらあらッと言う間に帰る日となっているから不思議だ。
今回のツアー期間中で、初めて雨の朝を迎えた。am7時近く、ホテルのロビー階のレストランへ行き、朝食のテーブルに着く。今日の朝食のメニューもまた豊富…2枚のお皿に、ついつい盛り沢山の料理をとってしまった。
この年の初春に、私たち夫婦の名刺を自分で作った。それを今回の旅に持参していた。私たちの周りには、同じツアーの皆さんもまた思い思いの朝食をとっていらっしゃる。
今回のツアーには、日本のあちこちから参加されていた。この台北に入国する時もそうであったが、今日、台北を出国して帰国の途につく私たちのツアーは、飛行機の出発が、参加者のお住まいの地域によって異なっている。なので、朝食後は数グループに別れ、事実上ツアーはこのホテルで解散となるのである。そこで、数組のご夫婦とお別れの挨拶を交わしながら「名刺」を渡す。
わずか4日間とは言え「袖すり合うも多生の縁」である。こしらえて来た「名刺」が、初めて役にたった瞬間なのである。こうして見ず知らずの方々とのご縁が、少しずつでも広がってゆけば嬉しいと思っている。
台湾桃園国際空港から車で45分の、このグランド ハイアット 台北は、活気あふれるビジネス街の中心にあり、台北世界貿易センター・台北101ファイナンシャルタワー・そしてショッピングセンターにも隣接する便利なロケーションを誇っている。また最新のショッピングモールやエンターテイメント スポットへも徒歩で数分だそうだ。 このホテルは実に国際色が豊かである。
このホテルの直ぐ隣りには、ついこの前まで世界一の高さを誇っていた「台北101ビル」がある。残念なことに、東京スカイツリーが記録を更新してしまったよと…現地の人ががっかりしていた。時間がとれずに、このビルに昇るのを諦めたが、ここに少し書き記しておきたい。
「台北101ビル」の高さ509.2メートルは、完成した建築物としては世界一高い建物だった。全面ガラス張りの近代的建築ながら、輪郭は伝統的な宝塔と竹の節がイメージされている。
杭は8本の巨大な柱で、支持層(岩盤)の下30メートルまでしっかり打ち込まれているそうだ。27階から90階にかけて、逆台形をした8階分を一節として、8つの「節」が縦に連なる。台湾圏と香港圏において「8」は縁起の良い数字であることから多用されているらしい。24階から27階にかけて、中華圏の昔の貨幣(通貨)をイメージしたオブジェが各方位に設置されている。
地上101階・地下5階・高さ508メートルのこのビルは、世界有数の高層ビルとして台湾の人たちにとって、自慢の一つなのである。また、世界最速のエレベーターがあること。ここのエレベーターだと、89階にある展望台までたったの39秒で上ることができるらしい。これは、毎分100メートルというスピードで上昇しているとのこと。もちろん減圧器を備えているので、上昇するときの圧力変化で不快に感じることはないそうだ。建築物の高さが世界一(508m)・ 屋根の高さが世界一(448m)・使用階層の高さが世界101階、438m)などの記録をもっていた。
11時50分、昨日までのガイドさんに替わって「陳さん」と言う女性のガイドさんが、迎えに来てくれた。このホテルからのツアー客は…私たちを含めて5名だけ。小型のワゴン車に乗り込み、故宮博物院に向けて走る。
案内されたレストランは、故宮博物院の西側にある「故宮昌華」。ここでコースの広東点心の中華料理の昼食となった。故宮の宝物を料理で再現して、目でも楽しみながら料理を堪能することが出来るらしい。味も一級品と評判だそうで、現地のガイドがしきりに言っていたのは「こんなレストランで食事が出来ると言うことはとっても贅沢なことだ」…と
美味しく戴いて、直ぐ隣りの故宮博物院に入る。館内はもの凄い観光客の人・人・人….。今年は台湾建国100年のとし…各地でいろんなイベントが開催されているらしく、人出を一層多くしている様子。特に中国からの団体が目立つ。それらの人々が館内を大河のように流れて移動している。そうした中、陳さんは…混雑をうまく避けながら、私たちを「名宝」の陳列場所へと次々に案内して行く。およそ1時間、陳さんの案内で名宝の数々をかなり見ることが出来た
陳さんの説明によると、清朝の時代を始めとする歴代の皇帝への貢ぎ物だった「宝物」の制作者は、その繊細で精巧な作品造りのために、過酷で短い生涯を送ったそうである。そして、そのほとんどは過労死であったとも伝えられている。しかしながら、皇帝に認められた宝物の製作者には、親子三代にもわたるほどの収入と地位を与えられたと聞いた。
こうした「宝物」の中の一つには、親子三世代にわたって、造り続けられたという物もあった…これらを目の前にして、またも言葉をなくしてしまった。この博物院には、当時の中華民国政府が台湾へと撤退する際に、北京の紫禁城・故宮博物院から精選して運び出された美術品が主に展示されていると聞く。その数が合計60万8985件冊にも及ぶことから、世界4大博物館のひとつに数えられている。
博物院では3カ月に1回の割合で展示品の入れ替えがあるが、膨大な所蔵量のために、全ての所蔵品を見るためには8年余りもかかると言われている。世界4大博物館に名を連ね、中国大陸の歴史が詰まった文化の殿堂、それが故宮博物院である。2千坪以上のスペースが広がっている。
故宮博物院の見物を終えて、pm2時40分頃、マイクロバスで台北空港へと向かう。およそ50分のバス移動となった。今日は朝から小雨が降り続いて、空はどんよりと薄暗い。ほとんどの車がライトを点けて走っている。空港に近づくにつれて、片側4車線もあるハイウェイが混み始めた。
台湾の現地ガイド・陳さんが、空港の保安検査入口まで見送ってくれた。17:25 台湾桃園国際空港のB6ゲートから搭乗を開始。今日は満席とのアナウンスがある。機内には続々と数百人の乗客が乗り込んでくる。全ての乗客が席に落ち着いたのは17:40分頃。これだけの人と荷物が乗ったこの機体が、加速して飛び上がるかと思うと、凄いなーと関心するよりは、ぞーッとして…空恐ろしくなる。そんな素人の心配をよそに、ジャンボの機体はスムースに離陸した。
水平飛行に移って機内食が配られた…が、博多に着いたら日本食が食べられる…ワインを飲んで、機内での夕食はパスすることにした。台北からおよそ2時間のフライト…福岡国際空港に20:45分に無事着陸した。
今晩は博多で後泊…空港を出て、予約のホテルへタクシーで直行する。チェックインの時間が遅くなって、ホテル内の和食のレストランはすでに閉店していた。….仕方がない…薦められるままに洋食のレストランに入る。そこで、和食に近い料理を注文した。運ばれてきたのは、お刺身が盛り合わせとなっているカルパッチョ。醤油と熱燗を頼んで、久し振りの日本食を味わう….美味い ! 。閉店間際まで…遅い夕食を楽しんだ。
「…帰宅をしたのは翌日の3月11日…そう、もうおわかりでしょう…あの東日本大震災が起こった日だったのです。」
「台湾周遊4」のことは、ここらでおわりとします。
ご覧戴いてありがとうございました。
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