第 1話「ハワイは、日本が真夏のときに行くのが….最高ょッ !! 」
Aloha〜 !! ……
「ハワイからお帰りなさ〜い !! … ロングステイの話しも聞きたいし、
写真も見せてちょうだい !! …
溫泉の露天風呂を準備して待っていま〜す !! 」
…と、熊本にお住まいの お知り合いからメールが届いた。
私たちがハワイから帰国して、2週間が過ぎようとしていた9月の上旬のことである。
「そう言えば私たち、帰国してから ずうーッと シャワーの毎日で
もう2ヶ月ほど、首まで浸かってのお風呂に入っていないよね ??…」
「ましてや、溫泉なんて久し振りだー !! 」
… 次の瞬間
「直ぐに、行きま〜す !! 」と、二つ返事でメールを送った。
9/11 高速道路を走るのも久し振りである。…日曜日というのに車が少なくて運転が楽だ。 九州縦貫道を南に向けて走りながら、初めて訪れる「別荘」のことを、あれこれと想像を 巧みにして行く。
「溫泉付きの別荘だそうだから…きっと、人里離れた、緑深い山ふところだよね ?? 」
…などと、目的地が近づくにつれて、勝手な空想・夢想・妄想が高まる。
菊水インターで高速道路を降りた。その出口に、「別荘」のオーナーが待っていてくれた。
優しさが、溢れんばかりの笑顔で、私たちを迎えて下さった。
そこから、オーナーが先導してくれて走ること 20数分…別荘に着いた。
そこは、私たちの想像を軽く裏切って、遠くに山々を望む、田園に囲まれたのどかな郷で、あの「灯籠まつり」で有名な、熊本県山鹿市の市街地を通り抜けた、直ぐの処にあった。
8/16に行われる「千人灯籠踊り」
山鹿市は、豊前街道を中心に栄えた宿場町だそうで、今も歴史あふれるロマンある町であり、菊池川流域には多くの溫泉郷が点在しているそうである。
「ここです !! 」
と、オーナーが指さす別荘は、その門構えからして、大邸宅である。
それは、私たちが持ち合わせている尺度では、とても計りきれない大きなお屋敷で、その佇まいの凄さにまず圧倒された。
続いて、中に案内されてまたも驚いたのは….「いきなりだんご」…む ッ??…「大変失礼しました !! 」
…ではなく、「いきなり暖炉」が目に飛び込んできた。
別荘の館内の暖房は、これひとつで十分まかなうという優れものだそうで、外国製の物だ。
〝余談だが、熊本の名物 となっているのが「いきなりだんご」…..今も家々に伝わる手作りの菓子で、殊に、ご婦人方には、大変人気があると聞いた”
そして別荘の中 …リビングの柱の大きいこと・吹き抜けの天井の高いこと…そして….そして….
「溫泉しかありませんけど…どうぞ、おいで下さい !! 」
と、予てからお誘いを戴いていたその「露天風呂」に案内された。
天然に湧く湯を、混じりけなしに、そのまま引き込んでいるという「内湯と露天風呂」…
「むッ…まぁ〜、なぁ〜に ??!! …これッて、旅館やホテルのあれと同じじゃない !! 」
しかも、この露天風呂、ご夫婦で設計したというではありませんか…
その素晴らしさにびっくり !! …もう、この時点で、完全に言葉を失ってしまった。
「…………」
後で聞いたお話だが、老後は熊本のご本宅を出て、ここを「終の棲家」にすることも考えておられるそうで…..そうなると、あまり山奥では、買い物をはじめ、何かと暮らしが不便になる。
そんなことから、別荘はこの場所に決めたとのことであった。
ここで、この別荘のオーナーご夫妻のことを、少しだけご紹介させて戴く…
ご主人は、高校の校長を定年退官され、何時もは熊本のご自宅で、奥さまと悠々自適のお暮らし。 ご夫婦とも、旅行が大変お好きで、国内外を問わず、すでに数え切れないほどの旅に出掛けていらっしゃるご様子。
そして、ご主人はカメラがお好きで、旅行の度に、アルバムを編集・製作しておられる。
もう一つ申し上げておきたいことがある。
それは、ご夫婦揃って「笑顔」が素晴らし いことである。
昔々の大和言葉では、笑顔は「咲顔」と書いて「えがお」と読んだそうだ。
つまり、笑顔とは「花が咲いたように美しい顔」だと言うわけである。
ご夫妻の笑顔は、まさに「咲顔」そのものなのです。
「きっと !! …なにもかもが、
お幸せなのよネッ !! 」
と、家内がつぶやく。
この素晴らしいご夫婦と、お知り合いになれたのは、2010年2月〜3月の 「地中海・エーゲ海クルーズ」で、15日間、ご一緒させて戴いてからのことである。
オーナーのすすめで、溫泉に入らせて戴くことになった。
天然の湯は、やわらかくまろやかな肌触りで、心から癒される思いがした。 お湯の温度 もちょうど良い…オーナーの細やかな気配りが感じられたものである。
ハワイに出掛けて以来、およそ2ヶ月振りの溫泉…
「ハワイもいいけど、日本の溫泉も最高だ !! 」
素晴らしい露天風呂をひとりで独占、至福のひとときを過ごさせて貰ったものである。
夕刻 6時をまわった頃、ご夫妻の心暖かい手料理を始め、取りよせられた豪奢な夕餉が食 卓を飾っていた。 季(とき)、ちょうど中秋の名月。 すすめられて食卓の席につくと、 正面のリビングの窓枠の外には、満開の「サルスベリの花」が見えている。その少し上に 中秋の名月がキラッと美しく光っている。居ながらにして名画を見ている感じがした。
そうした贅沢な食卓に、美味しいワインが….
「いただきま〜す !! 」・「かんぱ〜い !! 」
こうして夕餉が始まった。 美味しい手料理の数々を戴きながら、
会話は、旅行のあれこれ…..
時間をすっかり忘れてしまっていて、ふと 気が付いたら、夜も11時近くになっていた。
私たちの「ハワイ・ロングステイ」の土産ばなしは、
こうして、山鹿の別荘から始まったのです。
私たちが、ハワイ・ロングステイを終えて帰国すると、逢う人ごとから
「どうだった ??…」
…と、決まってそう感想を聞かれた。 その度にもらした言葉が何だったかと言うと…
「ハワイは、日本が真夏の季(とき)に行くのが最高ょッ !! 」
…と答える。 すると、大方の人が…目を丸くして、
「えッ ????…」・「理解できな〜い ??…」 って顔をなさる。
そうだよね〜、私たちも、出掛ける前は
「暑い時季に…わざわざ常夏の国に行くなんて ? 」
と、思っていたものです。
今や、ハワイのことは、インターネットを始め、数え切れないほどの情報誌などから、いつでも知ることができる。…..なのに「分からない・実感できない」といった思いを持っている人が、まだまだ沢山いらっしゃるんだな〜と感じたものです。
また、多くの方が、ハワイ・ロングステイのことを、ブログやホームページで公開していらっしゃるけれど、人それぞれに、感受性も違えば価値観だとか・趣味嗜好も違う。
なので、そのブログやホームページの内容もまた….人それぞれである。
そんなことから、私は私なりに感じたハワイを伝えられたらと思うのです。
「虫の音に、昼間の残暑がうそのように思える季(とき)」
窓を少し開けているだけで、別荘のエアコンはOFF …夜はすごしやすく、スズムシの音を 聞きながら気持ちよく就寝でした。
そして翌朝….オーナーが朝食を仕度する音で目を覚ます。
なんと、ご主人がお一人でキッチンに立っていらっしゃる…..。
「偉い !! …..私なんぞ、この歳になっても“ ご飯 ” が炊けない…..トホホ 」
私たちは “ 朝湯 ” を戴いた。 今日も良く晴れていて清々しい朝・空気が美味しい。
お湯は熱くもなくぬるくもなく肌にやさしい…..何とも贅沢なひとときである。
溫泉の朝湯を楽しんだら、美味しそうな朝食が食卓を飾っていた。
いたれりつくせりの「ブレックファースト」…..美味しく戴いた。そして、またひとしきりのお喋りをする。 旅行のこと・パソコンのこと・カメラのこと等々と……。
そうして、午前9時を過ぎた頃だったか、お礼とお別れを申し上げ、別荘を後にした。
私たちは、菊池渓谷・阿蘇大観峰へと車を走らせた。
久し振りの雄大な景色…..秋気・秋色・秋の川・秋の湖・秋の山・そして秋の水と、日本の秋の始まりを たっぷりと堪能した一日であった。
こうして、あっという間の2日間であったが、充実した時を過ごさせて戴いた。
それもこれも、別荘のオーナーご夫妻の、心温かいご接待と気配りによるもので、あらためて心から感謝を申し上げる次第です。
…..で、今回はこれまでとします。
ご覧下さっている皆さまとは、
次回「ハワイ・ロングステイ(2)」で、お逢いしましょう。
ではまた…よろしくお願いしま〜す !!
Mahalo〜!! ….
2011 ハワイ・ロングステイ(1) への8件のフィードバック