2015・北海道ぶらりドライブ12「第4話」

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 4日目・2015.7.8(水)・快晴
 洞爺湖ウィンザーホテル洞爺 を観て → 小樽 へ移動

 絶景の湯宿 洞爺 湖畔亭で迎えた朝です。
 am 04:30ころ・洞爺湖の向こうの山の稜線から朝陽が眩しく上がって来ました。
 その美しい光景に魅せられて、暫くの間ボーと見とれていました。 旅は4日目の朝を迎え、痛めている左足に負担が生じたようで、腫れていて痛みます。
 なので朝食後には、痛み止めの薬を飲まなくてはならなさそうです。
 痛むのは足だけではありません … 旅行用にと持出してきた電動歯ブラシで、歯茎を傷めてしまったのです。 普段使い慣れていないブラシで無理したものと思われます … トホホ。

 ホテル・レストランでの朝食です。
 湖の向こうの高い山は羊蹄山・通称・蝦夷富士と呼ばれています。
 レストランの女性が言うには …..  このホテルからは、羊蹄山を裏側から観ていることになるそうで、表・つまり向こう側から見ると、もっと富士山にそっくりだと言うのです。 今日は、ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ に立ち寄った後、小樽へ移動したいと思っています。
 8時半頃にチェックアウトをしてホテルを出発です。

 今日は最初に、洞爺湖を見下ろす標高625メートルの山頂の館・
 ザ・ウィンザーホテル洞爺 リゾート&スパを訪れます。

 かつて、サミット会場として、世界のVIPを迎えたホテルですね。
 ゲストを迎えるホテルのスタッフは、とても洗練された、お客様の一歩先を気遣うほどのにくい心配りです。 出迎えたホテルマンに ….. 「足を痛めていまして、車をエントランスの近い位置に駐められませんか ? 」と尋ねたんです ….. 。 
 すると、にっこりしながら …. 「こちらへどうぞ ! 」と、特別なスペースに案内してくれたんです。 有り難いことでした。  
 上質で、さりげないおもてなしの振る舞いを感じます。  広々とした吹き抜けのロビーに、一歩足を踏み入れると、パノラマビューが広がっています。 洗練された調度品の数々、上品なソファやテーブル。
 まさに大人のためのリゾート空間という感じです。 フルートとピアノのロビーコンサートがあっていて、いい雰囲気です。  
 このロビーで、モーニング・コーヒーブレイクとしました。




 ホテルのロビーの外に出て見ると、洞爺湖や内浦湾を見下ろすことができる絶好のロケーションです。 この広大な景観には圧倒されます。
 雪化粧のこのリゾートに、一週間でもいいからのんびり滞在出来れば、日頃の疲れた心や身体をきっと癒してくれるはずだと感じたものです。

 そんな夢見たいなことを思いながら、このホテルを後にしたものです。  これから小樽へ向かうわけですが、出来れば 蝦夷富士を北の方からも観てみたい と思って、ナビのルートを羊蹄山の山裾沿いの道に設定し走っておりました。

 ところが、途中で道路が封鎖されていました。
 仕方なく道央自動車道に戻り、千歳や札幌を経由して走ることとなりました。  11時頃・有珠山SAに入り休憩と昼食です。
 千切れ雲にうろこ雲・空は澄んでいてどこまでも高く、まるで秋の空です。
 蝶々に精霊トンボも飛んでいます。
 北海道は春と夏と秋が同時に進行しているかのようです。
 ランチを終え、千歳・札幌を駆け抜けて小樽へと向かいました。 こうして小樽運河の街に入りました。 ここで休憩を兼ねて少しの街歩きです。



 小樽運河でひと休みをとった後、先に にしん御殿 を訪れることにしました。  にしん御殿は、明治から大正にかけて、にしん漁で莫大な財をなした旧青山家が建てた別邸ですね。 にしんと言う魚は、私たちには馴染みがありませんが …… 。
 おせち料理で付き物の数の子 ….. にしんの卵ですよね。 これは大好物で〜す。  親子二代にわたり にしん漁 で財を成した青山家は、大正6年にこの別荘の建設にとりかかり、約6年半の歳月をかけて完成させたと言われています。

 にしん御殿の総工費は三十一万円だったと聞きました。
 当時、新宿の有名デパートの建築費が五十万円ほどと言いますから、この別荘の豪邸ぶりがおわかりいただけると思います。 積雪の多い北海道では珍しい瓦葺き屋根となっています。
 旧青山家は、祝津の網元で、小樽から留萌にかけて、いくつものにしん漁場を経営し、
 1914年(大正3年)頃には1万石(7500t)以上もの水揚げがあったということです。
 この数字は、現在の価格に置き換えると約25億円にもなると言うのです。
 にしん御殿の庭に、石狩の海のにしん漁を舞台にした歌の碑がありました。
 短い文章に込められた思いや意味は、語り尽きせぬものがありそうですね。
 あらためて、歌をじっくり聴いてみたくなりました。

 こうして
︎ 16:00 丁度頃  ホテルに戻り、チェックインです。
 荷物を部屋に入れて食事に出掛けます。
   選んだレストランは、数人の板前さんが中にいる回転寿司店です。
 
 食事を終えて︎、小樽運河でも散策しようかなとしているところに、人力車の俥夫から声を掛けられたんです。 左足は痛めていることだし、渡りに船でした。
 俥夫(しゃふ)は、沖縄出身のイケメンの若者です。

 この日、半袖の私には寒いくらいの気温でした。なので車上では、足元から胸くらいまでを、毛布ですっぽりと覆ってくれました。さらに屋根があってこれで大丈夫です。
 さあ ! ….. 出発です。 車を引くイケメンの若者の休みないガイドが始まりました。 北海道開拓の玄関口として発展してきた小樽港。
 当時は大きな船を沖に泊め、はしけと呼ばれる台船を使って荷揚げしていたそうです。
 そうした取り扱う荷揚げ量が増えたのを受け、はしけが倉庫の近くまで入れる水路として運河を作ることになったんですね。
 大正12年(1923年)に完成した時の小樽運河は、長さ1300m、幅40mだったそうですが、荷揚げも戦後に入り衰退してゆきます。
 昭和40年代になると、使われない小樽運河には、埋め立て案が浮上します。
 こうして、半分埋め立てた形の、今私たちが目にする小樽運河が誕生したそうです。
 今・運河の全長は1140mで、一部を除き幅は20m。散策路には63基のガス灯が設置されていると …. 車を引く若者から聞きました。

 上の写真は、小樽の鉄筋コンクリート造では初期の建物です。
 この倉庫は、現存する施設で最も古く、建築当初から荷物を揚げ降ろしするためのエレベーターや、製品を運河へ搬出するためのスパイラルシュートが設けてあります。

 ひときわ目立つ偉容を見せる大型の石造り倉庫は大家倉庫です。
 まるで親亀に小亀を乗せた格好の越屋根の造りと言うものだそうです。   北前船の海産物問屋大家商店の大家七平が、明治24年に建てた自家用の倉庫。正面に入口の二重アーチがあり、屋根の壁には屋号がつけられています。 瓦屋根は、お金持ちの証拠ですね。
 
 上の写真は、昔ながらの幅40mの運河が残されています。 昔ながらの面影をとどめたこのエリアは、通称・北運河と呼ばれ、作業船などの小型船が今も係留中です。

 下の写真は旧渋澤倉庫です。
 大きな切妻屋根を架けた本体の前面に2棟の角屋が突き出る変わった形をしています。
 向かって右手が一番古く明治28年に建てられた棟。その後左棟を並べて建て、次いで2棟をあわせた大屋根を架けて、今の姿になったといわれます。
 下の写真の建物は旧日本郵船株式会社小樽支店 です。 ルネッサンス様式の石造2階建です。
 この建物は外壁は厚さ75cmもある小樽天狗山産の軟石が使われているそうです。
 今では小樽市博物館として利用されています。

 この建物は、1905(明治38)年に建てられた木骨石造2階建の旧早川商店です。 
 うだつは、朝日や鶴と亀、松、梅などの彫刻が施された豪華な造りとなっています。 下の写真は、︎旧小樽倉庫ですね。 壁は札幌と小樽の軟石(凝灰岩)、屋根は若狭(福井県)の瓦、内部の柱は地元の松材使用した小樽の石造倉庫の典型と言われています。
 この倉庫も、富の象徴として、寄棟の瓦屋根に鯱(しゃちほこ)をのせています。

 下の写真は、小樽運河エリアの中心、中央橋の交差点にある
 ヨーロッパ調のホテル ….. ホテルノルドです。

 上の写真の奥中央が小樽駅です。

 ︎旧手宮線
 旧国鉄手宮線は幌内鉄道の一部として、明治13年に小樽・手宮~札幌を結ぶ北海道で最初の鉄道として開通し、北海道開拓に重要な役割を担っていましたが、昭和60年に廃線となりました。  小樽駅に通じるこの坂道に、当時の線路の一部がそのまま残されています。

 夕暮れ時の小樽駅です。  人力車を引く沖縄出身・イケメンの若者は、私たちが宿泊している小樽駅前のホテルまで送ってくれました。 下の写真に見るように、運河からホテルまでは、なだらかな坂道が長く続いています。
 電柱がなくて、小樽で一番美しい坂道と言われているそうです。

 額に汗して人力車で送ってくれた若者が、私たちがホテルに入りその影が見えなくなるまで手を振ってくれていました。
 若者の優しい心配りに思わず涙が溢れて恥ずかしかったで〜す。  小樽の繁栄と衰退の歴史・そして今日の新しい小樽のことを ….. 
 私たちが歩き回って観光したって、とても知り尽くせないほどの沢山の知識を、人力車を引く若者から教わりました。 思いがけなく充実した小樽のひと時に大満足でした。

 天然温泉 灯の湯 ドーミーイン premium小樽に宿泊です。

 ご覧いただきましてありがとうございました。
 ….. ではまた次回でお会いしましょう。

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